技能実習生
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匿名V氏
技能実習生として日本で働くV君。
自分の教え子です。
その送出機関(日本語センター)は、"あなたは日本語だけを教えてください。他のことには関わらないでください。(でも、お客さんがいたら紹介してください)"という方針だったのと、V氏が旅立つ数ヶ月前に離職してしまったのでV氏についての成り行きはほとんど知りません。
また、3か月程度、先生と生徒という関係ではあったものの、離職後、約1年は連絡も途絶えていた。
確か、(自分が教えていたときは)北海道に行くはずだったのに、広島になっているし。
Facebookでは繋がっていたので、2~3ヶ月前の記事でベトナムの空港で家族や仲間たちといっしょに写っている写真が複数載せられていたので「日本へ飛び立つことができたのだなー」という感想は抱いた記憶がある。
そのような中で、今朝、寝起きに彼からのメッセージが届いていて、
寝ぼけながらも(変なことを言ってはいけないという自己制御機能を回復しながら)行ったやりとり。(1問1答ではなく、彼のメッセージと私の返答にタイムラグあります。)
技能実習生として日本に行っているのに、
唐突に「はたらきたいです」というメッセージは理解に苦しみます。
技能実習生は、来日後、1か月は研修期間がありますが、
それでも研修手当で6万円ぐらいはもらえるはずです。
そして、たぶん彼は研修期間を終えて、すでに働いているはずなのです。
なのに、「働きたい」というコメントは日給で今は仕事がないのか…?とか色々と複雑に考えてしまいます。
正直、何が起きているのか未だによくわりません。
ただ、何らかのSOS信号だとは思ったので、彼の送出機関(日本語センター)には伝えました。
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100人以上の生徒と接すると、
自分なりに分類します。所詮、自分の予測なので「当たるも八卦当たらぬも八卦」なのですが、
V氏については教え子の中でワースト3に入るあぶなっかしい人物でした。
悪い人間ではなく、男女問わずクラスメイトから好かれている人間なのですが、
はっきりいうとバカで、おっちょこちょい、愛嬌はあるけれど賢さはないというイメージです。
日本語の学習能力も、上達度を「上・中・下」を分類すると下でした。
彼が現在どれだけ危機が迫っている状況にあるのかはわかりませんが、
段階を踏んで自分にたどり着いたのならばともかく、
何の脈絡も分からず、理由も伝えられず、泣きつかれても、
できることは然るべき手順を踏み、
やってはならぬことをやるな、としか言えません。
「疑わしきは罰せず」です。
現時点で、誰もV氏を裁くことはできないと思います。
事態が好転することを望みます。PR -
悪魔の証明(技能実習制度における違法行為)
やっていないことを証明するのは難しい。
けれど、この技能実習制度で良からぬことをしている者たちを立証できないわけじゃなくて、
あまりにも多すぎるから避けているだけなのだろう。
技能実習生に関わっている送出機関・監理団体は、その1人ひとりの担当者レベルの振る舞いまで責任を持たせれば、ほぼ全機関・団体「クロ」だと調べるのは容易い。まず、送出機関側でいうと、技能実習生の職歴詐称。送り出した実習生がよほど少ないところでない限り、90~99%は詐称した経験があるはず。
監理団体でいえば、贈収賄。これは、「日本人」がこれほどダークサイドに墜ちていたのかと驚いた。
以前、NHKワールドニュース(かな?)でやっていた特集で、明治維新の成功は「元・武士」がその高い志しで贈収賄行為を行わなかったという話を聞いた。まぁ、完全にゼロではなかたっとは思うけれど、多くの人が収賄行為を拒否したのだろう。
けれど、技能実習生の監理団体である「(ベトナム人がいう)クミアイ」は、多くの日本人が賄賂を受け取ったという話しか聞いたことがない。
僕は日本の監理団体で働いている日本人をほぼ知らない。今日時点で、1人も直接会ったことがない。電話やメールでの連絡はしたことがあるが。
ベトナムの送出機関側は、複数知っている。トップレベルも知ってるし、担当者レベルも知ってる。
技能実習生関係の仕事をしているベトナム人の友人・知人は、数十人いる。
全員が口を揃えて、公表できないが、賄賂を渡している事実があることを知っているという。
超有名な日系自動車メーカーのグループに年間1000人以上招へいしていると自慢のA組合も受け取っている。
あるベトナム人の知人が運営している送出機関の取引先(監理団体)は10社中10社、表に出せないお金を渡していると言っていた。
もう、そうなってくると、何が正義で何が悪なのかは判断がつかない。いっそのこと、この制度を賄賂okと認めてしまうか、制度を完全廃止するしかないのでは?
黙殺は良くないと思う。
行政関係者だって、入国管理局だって、技能実習生に関連した仕事に携ったことがある人だったら、誰でも簡単に悪事を暴くことができる域に達してしまっている。
黙認、黙殺していたことにも罪を問われるのが怖いのかもしれない。
わからぬふりをより長く続けるため、真相を知らないようにするために、努力をしているかに思える。 -
技能実習生と刺青・タトゥーたまたまベトナムへ行く飛行機で隣りの席になったQuyetくん。
ベトナムのお正月「テト」の直前で、
若かったので"留学生ですか?"と話しかけたら、
「技能実習生」とのこと。
技能実習生がお正月に一時帰国する者はほとんどいなく、
技能実習生の実習期間が満了して帰国するのかと思いきや、
そうではなく刺青が原因で解雇されてしまったそうだ。
両腕に手首から肩にかけてガッツリ入っているらしい。
ベトナム人にとっては刺青はポピュラーなものであり、
刺青を入れている若者は男女ともに多い。
ワンポイントなら消すことができて、
僕の生徒にも日本へ行く前に刺青を消すため病院へ行く者がいた。
(とても痛いらしい。)
けれど、Quyet君のように大々的に入れていると消すことは難しいようだ。
(消すといっても、火傷のような痕は残る。)
刺青・タトゥーについては、日本ではまだまだ抵抗があり、
刺青NGという受入企業も多い。
文化の違いだからとやかく言うべきではないと思うけれど、
募集要項や面接時に伝えておけばいいのに、
日本に行った後、さらに数か月も経ってから刺青が理由で解雇するというのは、
可哀想だった。
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アフターケアエンジニアにしろ、実習生にしろ、
ベトナムから日本へ送り出した後は、
もう相手先の社員であり、または実習生の場合は監理団体(組合)の管理下にあるわけで、
でしゃばらないようにしています。
とはいえ、気にならないはずもなく、
何かの拍子に連絡を取った時に、
様子を窺うことはあります。
とりわけ、海外人材の採用においては、
働き始めの最初の1日、1週間、1か月、1年間がヤマだと思っています。
それら超えると、お互いに適応し始めます。
この仕事をしていて、「あー、いい働きをしたなー」と思う瞬間に立ち会えることが、
いくつかあります。
一つ目は、内定通知を出したときに、
彼ら・彼女らが喜びの表情や態度を現しているのを目撃できたとき。
(表裏一体なので、裏で不採用になった人たちが悲しんでいることを忘れてはならないと思っていますが。)
二つ目は、ベトナム人が初めて日本へ訪れたときの"初めて尽くし"を経験している様子を見ているとき。
三つ目は、良いマッチングができたとき。
これは企業側からのレスポンス、ベトナム人からのレスポンス、
両方です。
もちろん、順風満帆なわけがなく、
細かなトラブルはいろいろとあるはずです。
(この彼女も、仕事は検査員なのですが、検査する前と検査後に17キロぐらいの検査物が入った箱を運ぶので、それが「重くて大変だ。」というグチはありました。それぐらいは我慢してもらいたいな、と励まして終えました。)
それでもなんだかんだで総合的に喜んで頂けたのなら、
ひとまず、それで良しとさせてください。
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関西弁の日本語教師「方言」を否定する気はまったくないし、僕は各地方の「訛り」が好きです。無くならないで欲しいと心底願っています。
「日本全国標準化推進」と「個性的な地方推進」のどちらかを選ぶ選挙があれば、後者に投票します。
僕自身は、物心ついた頃から東京・神奈川育ちなので関東弁を話しますが、両親は東北と関西の出身です。それも、どちらも訛りのきつい地域だと大人になってから知りました。関西人が東京の言葉に違和感を感じるとの同じように、正直、関西弁を耳にしたときは「あ、関西弁…」と反応してしまいます。
でも、これは関西人の方と共感できると思うのですが、関東人が話す関西弁は、大嫌いです。(小学校の同級生がそのままずっと神奈川か東京で生活していたにも関わらず、大学生になったとき久々に会ったら、関西弁を話しだして、気色悪くて仕方がありませんでした。)
とはいえ、テレビに出ている関西弁を話している好きな芸人さんはたくさんいるし、関西人の友だちもいます。本物の関西弁の魅力は承知しています。真似したくなる気持ちも分かります。顧客の中に、うちの会社は関西なので、関西の言葉を教えてほしいという要望もあります。
そのニーズがあって当然であり、大阪や関西地方で働いているベトナム人もたくさんいる。これからも増えると思う。
それを踏まえての問題提起ですが、日本語の教科書って標準語なのです。会話の練習で使うCD?DVD?HDデータ?も標準語なのです。(ベトナム人で正確な発音ができる人は日本語教師の中にはいません。だから、録音された教材を使う機会は多いです。)
日本語能力試験も、各学校入試の聞き取りテストも、標準語なはずです。(もしかしたら面接は各地方の訛りがある面接官が担当するかもしれないけど、学校側だって訛りがきつい人を面接官に選ばないだろう。むしろ、それぐらいは気にかけてほしい。)
関西地方へ就職なり、留学する人向けの特別な日本語教師だというのであれば、まったく否定しないです。でも、全国を対象にした生徒へ関西弁が抜けない人が教えていいのだろうか???常々疑問に感じていました。
私が初めて会った日本教師は静岡出身の同い年の女性でした(当時は20代後半)。彼女は日本語教師のライセンスを持っていなかったけれど、人格と熱意が認められて、学校側からも信頼を得て、生徒にも尊敬されていました。2人目にあった日本語教師は、関西出身のおじさんでした(当時50代後半)。実は、どこが出身だか未だに確認していませんが、きれいな関西弁むき出しなので、勝手に思い込んでいます。(確認しても結果は同じだと思います。)かれこれ2年ぐらいの付き合いであり、共通の友人も増えました。彼は日本語教師のライセンスを持っています。でも、どうやら授業中の接し方も関西弁のようです。「それ、あかんやろ」とか。
彼がそう話していました。写真を撮るとき、常に女性生徒の肩を抱くので、一部で嫌われているそうです。これがきっかけで、日本語能力試験のヒアリングテストに、関東弁、関西弁、東北弁、九州弁・・・北海道、名古屋、土佐、沖縄・・・etcの各バージョンができるのは、大賛成です。
それができぬまでは、
標準語で教えられない日本語教師が、
日本全国津々浦々へ行くことになる生徒たちに
日本語を教えるのは教わる方が可哀想だというのが持論です。
特に技能実習生のような初級レベルを学ぶ生徒たちにとっては、
混乱を招くだけだと思っています。