技能実習生
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TMS社の技能実習認定送出機関リストからの除外について
出処:在ベトナム日本国大使館
昨年、グループ構成会社の1つが処分を受けましたが、今回はグループの看板となっている会社(親会社?)が同じ処分を受けることになったようです。けれど、誰もが冷ややかな目で見ています。「リストから除外されたからどうなのだ・・・」
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処分理由は何なのか?考えられるのは・・・① 経営悪化によりベトナム政府が定めた送出機関となれる要件を満たせなくなった② 失踪者数が基準値を超えた③ 訴訟を起こされて敗訴した④ 公文書への意図的な虚偽記載が発覚した⑤ 保証金を預かっていることが発覚した⑥ 技能実習生たちからの徴収金額が法外価額だった⑦ その他TMSに関しては名前こそ知っていますが、訪れたこともなく、勤めている友人がいるわけでもないですが、規模の大きな送り出し機関なのだと思います。自分が日本語教師をやっていたホーチミンの送り出し機関は年間1,000人以上を送り出していると言っていたので、TMSは同等かそれ以上だと思います。①②③なら場合によっては同情の余地があるかもしれません。
④は他もやっているので可能性は低いです。
ベトナムの送り出し機関の悪評は周知の事実なので、これまでに人づてに聞いた噂話だと⑤⑥の可能性があり、
その不正はイレギュラーに発生したヒューマンエラーではなく、
恒常的に行われていた可能性が高いかと思います。
そうなると少なく見積もっても年間千人、可能性としてはその数倍も考えられる中で、累計にすると万単位の犠牲者がいたことになります。
その賠償は行われたのか???
真相は分かりませんが「リストから外れたから何なのだ・・・」という消化不良感は否めません。PR -
兄弟姉妹
とりわけ「外国への道」という視点で捉えると、
ベトナムでは、兄姉が歩んだ道を、弟妹が追従するというケースが多いと思います。
私の友人(ベトナム人)たちも、お兄さんが留学生だったら妹も留学生。
お姉さんが技能実習生だったら、妹も技能実習生。
それぞれの家庭の経済事情で、子供を大学(自国の大学)に進学させる余裕がないということは、ベトナムに限らず、日本も同じだと思います。
兄弟姉妹が複数いると、長男や長女は大学に進学しないで就職して、
弟や妹が大学に進学するための学費を稼ぐというケースもあるはずです。
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<兄>留学生 <妹>留学生
<姉>実習生 <妹>実習生
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決して悪くはないとは思うのですが、
(奨学金をもらっている者たちを除けば)留学生の生活は過酷ですし、
留学生はまず日本の日本語センター(専門学校)に1~2年通学し、
そこから進路を決めます。
自分の興味や学びたい分野をみつけて進学する者もいますが、
「ビジネス学科」という当たり障りのないような専攻で、
引き続きアルバイト中心の学生生活に勤しむ者が多いです。
技能実習生も兄や姉が働いていた職場で受け入れてもらえるのなら前もって情報が得られていて、不幸な目に遭う確率は低いでしょうが、
日本で"働き方改革"が行なわれている最中では残業代が減って兄姉ほどは稼げなくなっているかもしれません。
年齢的には中年になる私がベトナムの法律・労務事情がわかっていないように(ころころ変わるので)、
若年層のベトナム人が(ころころ変わる)日本の在留資格についてすべて理解することは難しく、
真似することで安心感を得ているのだと思います。
一般的なベトナム人は「誰も歩んだことがない道は怖いから嫌」。
けれど、「誰かが歩んでそこで成功したのならその道をたどるのは大好き」という国民性があると感じています。
その道を歩んでいく者たち何人分の明るい未来が用意できるのかはそれぞれ違うのでしょうが、
日本行きの道は、もう平坦ではなく、先行き不透明になっているはずです。
時々、ベトナム人の友人から「日本にいる友達がもうすぐ学校を卒業する。彼は日本で働くことを望んでいるので、日本の会社を紹介してほしい」と頼まれることがあります。
私が「彼はどんな仕事がしたいの?何ができるの?」と問うと、
本人に確認した上で「何でもいい。何でもできる」という返事がだいたいきます。
間口を広げたいという気持ちもわかるのですが、
そういう相談には意地悪な返答で返します。「なんでもよくて、なんでもできるなら資本金500万円用意して、自分で起業したらいいさ」などと。
すると、「そんなお金はないです」と返事が来るので、
じゃぁ稼げる方法は考えられないの?などと・・・。
不毛なやりとりです。(暇なときにやっています。)
そういう者たちは「ビジネス学科」が多いです。
ビジネス学科で学べることは、WordやExcelの操作、ビジネスマナーなどだそうです。
その能力が役に立つ仕事があるので否定しませんが、
(見ず知らずの相手ではなく)自分の親しい友人にアドバイスするなら、
日本で働ければ何でもいいと思っているのなら、プログラマーになることを勧めています。
日本語センターで2年。
大学や専門学校のビジネス学科で2~4年。
そしてIT業界という道のりは難しいでしょうから、
IT業界への就職を目指したルートを歩むべきだと。
ITはベトナムでも学ぶことができるし、将来の選択肢として
「日本」だけでなく、もっと稼げる国で働くことができるかもしれません。
なので、個人的な意見としては
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<兄姉>実習生や留学生 <弟妹>ベトナムの大学か短期大学に進学→エンジニア
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がいいと思っています。
※日本で働ければ何でもいいと思っている者であることが前提です。 -
監理団体の許可を取り消し事案について推測(まさかの続編)
出処:外国人技能実習機構
[原文]
令和元年 10 月 31 日監理団体 代表者 各位
外国人技能実習機構監理団体部長
送出機関との不適正な関係について(再度の注意喚起)
貴監理団体におかれましては、外国人技能実習機構の業務にご理解とご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
今般、法務省と厚生労働省は、令和元年 10 月8日付で、監理事業に関して送出機関との間で不適正な契約を締結していた監理団体について、外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律(以下「技能実習法」という。)第37条第1項に基づき、監理団体の許可を取り消しました。
本事案は、監理団体が、送出機関との間で、「技能実習に係る契約の不履行について違約金を定める内容の覚書を交わしていたこと」、「覚書の中で、技能実習法第28 条第1項の規定に照らして不適正な内容の取決めを交わしていたこと」の理由により許可取消となったものです。
送出機関との不適切な関係については、平成 29 年 12 月 14 日付で各監理団体に対し注意喚起を行ったところですが、本事案のように、当機構に提出している契約(協定書)とは別に送出機関と覚書を交わし、技能実習生が失踪等した場合に送出機関から違約金を受け取ることや、送出機関から監理費以外の手数料又は報酬を受けることを約することは許されないことを再度注意喚起します。
この機会に、監理団体の役割について、再認識していただき、適正な監理事業を行うよう徹底して下さるようお願いします。
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【疑問】
1.「前回」と「再度の注意喚起」の間に何があった?
2.通常調査または内偵調査を進めていたのだろうが、それは注意喚起するためだったのか?誰のために?
3.取り締まる気はないのか(過去の悪事は無罪放免)? -
監理団体の許可を取り消し事案について推測
出処:厚生労働省HP
推測です。所轄官庁としても「物的証拠」がなければ、処分は下せないはずです。確固たる「物的証拠」として認められるには、内部告発やメールのやりとりの記録程度では信憑性が足らない。
そうなると、互いの会社代表印が押された書面(覚書など)が必要になるかと思います。では、それがどうやって見つかったのか。
1. ガサ入れ(家宅捜索、事業所捜索)2. 関係者によるリーク3. その他※「3.その他」は考えればキリがないので省略します。「1.ガサ入れ」については、入管が公安と同格になったことや、知人が勤める監理団体にも監査が入ったという話を聞いたので可能性はあります。
けれど、つつけばやましいことがことがわんさかでてくるこの業界において、探られて困る議員さんたちが阻もうとするかと思います。そうなると、可能性が最も高いのが「2,関係者によるリーク」。
これも3パターンがあります。
① 送り出し機関(ベトナム側)の関係者によるリーク② 監理団体(日本側)の関係者によるリーク③ 第三者によるリーク※「③第三者によるリーク」も考えればキリがないので省略します。
リークするにも「その理由」を考える必要があるかと思います。
・善意(良心の呵責に苛まれたなど)・怨恨・愉快犯・ヒューマンエラー、などベトナム側で、送り出し機関の代表印または会長(社長)のサインがある書類に関与できるものは、その社内においてかなり限定されます。
また、今回処分を受けた送り出し機関は、グループ会社の1つであり、同じ活動をしているグループ会社がいくつもある中でそのうちの1社のみが除外されたとて、代替えがいくらでも利くことは、この業界で働く者であれば誰もが解っていることです。そうなると、可能性として高いのは、監理団体(日本側)のリークなのではないかと。
処分を受けた監理団体がどのぐらいの規模の組織なのか知りませんが、ホームページの検索に引っかからないぐらいならば、小規模なのではないかと考えます。(報道後、即座にホームページを封鎖したということも考えられますが、画像検索などでは何かしろの足取りは残るかと思いますので。)小規模な監理団体であれば、常時事務所内で作業しているスタッフが複数いるわけではなく(監理団体の仕事は、巡回と監査などで外出が多い)、契約書などの重要書類についても社員の誰もが出し入れできる管理体制であるかと思います。
仮に、あるベトナム人社員がいて、その方は日々、ベトナム人技能実習生と接する中で、彼らの苦労を憐れみ、少しでも世の中を良くしようと内部告発することも考えられます。
または、会社への不満や社内の人間関係をこじらせ、怨恨に内部告発も考えられます。
断定することはできませんが、理由を考える上で、想像し易いのは日本側における事情です。
今回、監理団体側も送り出し機関側も2社ずつが処分を受けました。これは1社だと内部告発者が特定されてしまうので、2社ずつに増えるのを待っていたのではないかと勝手に思っています。
**********************************************以上の推測を各監理団体の経営幹部たちも考えたとすれば、現在、「物的証拠」隠滅に躍起となっているはずです。
処分を受けた送り出し機関が、処分を受けた監理団体のみと制度違反の取り決めを交わしていたと考えるより、「他とも」「他でも」同じことをしていたと推測する方が、その理由を考える上で容易いです。
さらに深読みすると、技能実習制度を維持するために、
今のうちに証拠を隠滅したまえ、というという裏メッセージを送ったとも捉えることができます。 -
トカゲのしっぽ切り(TTCとBatimex問題)以前からライセンスが停止されたとかいう噂が飛び交っていましたが、
日本では昨日付け(2019年9月6日付け)で正式にお触れが出たようです。
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令和元年9月6日実習実施者監理団体 各位出入国在留管理庁在留管理支援部厚生労働省海外人材育成担当参事官室
ベトナム国政府認定送出機関リストからの一部送出機関の削除について
ベトナム労働・傷病兵・社会問題省から外国人技能実習機構に対し、下記の2つの送出機関について、日ベトナム間の技能実習制度に関する協力覚書に基づく認定送出機関リストから削除する予定であるとの連絡がありました。これを受け、本日以降、外国人技能実習機構に対し、技能実習計画の認定申請を行う際に下記の機関を送出機関として利用することはできませんので、お知らせします。
記(ベトナム TTC 人材株式会社:送出機関リスト番号 148)2.Viet Human Resources Connection Joint Stock Company(ベトナム人材接続会社:送出機関リスト番号 226)
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ベトナム技能実習生業界には、ベトナム側の送り出し機関として、
TMSとBatimexという2大巨頭がいます。
今回のTTCは、Batimexグループの1社だそうです。
また、2番目の"Viet Human Resources Connection Joint Stock Company"は、TMSグループの一員だそうです。
※あくまで付き合いある情報屋(ベトナムにおける送り出し機関勤務で、友人・知人が各所にいるので掘り下げた情報を手に入れると自負している人物)による情報です。
今回、矢面にあがった2つのうち1つは、
取引こそないものの、
たまたま招かれたので教育施設を見学させてもらったことがあります。
その時、勉強に励んでいた学生たちのことを思うと忍びない気持ちになるのですが、
教育施設自体はグループ会社による共同経営(日本人も複数勤めていました)なので、教育施設は今なお運営されていて、
タイミング悪く内定をもらった者たちも(受入企業と監理団体の対応次第ですが)救済方法はあるようです。
つまり、被害がないわけではないでしょうが、
大勢に影響はないようです。また、「技能実習生派遣」業はベトナムにおける一大産業になっているので、
ベトナム社会主義共和国におけるこの2大巨頭本体に切り込めるのは日本側だけなのですが、
その気はないようです。
わかりやすい"トカゲのしっぽ切り"の在り方であり、
日本側はただそれを日本へ周知しただけなのかと…。