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恋するJV29

日本語を学ぶベトナム人技能実習生たちと、日本語とかいろいろ教えようとする日本語教師のベトナム・ホーチミンでの出来事・主に学生たちの恋愛模様やホーチミングルメ情報などなど

特定技能の4大欠陥点

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特定技能の4大欠陥点



出入国在留管理庁が「特定技能外国人」を増やすべく躍起になっています。

考えてみれば、彼らとしてはやらざるを得ない理由があります。

先の入管法改正で、法務省の「入国管理局」は「出入国在留管理庁」に格上げされました。

予算も増加されたはずです。

役職者のポジションも増えたはずです。

この理由は「日本にやってくる外国人の増加に対応するため」でした。

ところが、新型コロナウイルスの影響で激減・・・

東京オリンピック・パラリンピックは中止の危機に瀕し、

外国人労働者受け入れのための画期的施策であったはずの新在留資格「特定技能」は不評を買っています。

見込み人数なのか目標人数なのかわかりませんが、具体的数字を国会で提示しましたが、
現状、遠く及びません。
(コロナの影響もありますが、コロナ前から躓いていました。)

特定技能の欠点は何なのか?
  1. 本人が希望したら転職が可能であること
  2. 年齢と職歴が同じなら日本人と同じ待遇(給料の設定額など)にしなくてはならないこと
  3. 仲介業者の関与を認めたことを
  4. 多くの職種において5年間限定したこと
"1.本人が希望したら転職が可能"ということは、飛行機代まで出して連れてきて、住居・寝具・家具家電なども用意したものの、本人が「辞めます」と言って出ていったらすべて無駄になります。

出入国在留管理庁がマッチングイベントやマッチングウェブサイトを設けるようですが、
マッチング機会を増やせば自ずと転職者が増え、その度に雇用側としては「特定技能はダメだ」という烙印を押していくことになろうかと思います。

"2.日本人と同じ待遇"については、同じ年齢で経験年数が同じであれば同じ年収にしてなくてはならないということは、特定技能外国人を雇いたいがために日本人の給料を引き下げる要因となります。

仮に「経験不問、年齢30才までOK」という求人だったとします。
特定技能外国人も同じ給与額にしなくてはなりません。
けれど、もちろん日本語は格段に下手です。
さらに上記に書いたように飛行機代や居住環境を用意するなどの手間がかかります。

"3.仲介業者の関与を認めたこと"で、構造的には技能実習制度の悪しき習慣・癒着を引き継いだことになります。
建設業なんぞは最悪で、特定技能外国人を雇用するにはJAC(このために新たに設立された団体)の会員にならなくてはならない(会費が発生します。)という定めが設けられ、「なんだそれ?」と憤りを感じました。

"4.多くの職種において5年が上限とされた"ことで、受入れ企業のみならず、外国人側からもそっぽを向かれました。
既に日本にいる外国人留学生をあてにしたようですが、大金はたいて留学して、アルバイトで苦労しながらやっとの思いで卒業した者たちが「5年後に帰らなくてはならない制度」にのるわけがありません。

建設業、造船・船舶工業は特定2号への切り替えが可能でゆくゆくは永住権も得られる可能性がありますが、建設業は不人気職です(造船・船舶工業は詳しくないのでわかりません)。
介護職も在留資格「介護」への切り替えができますが、高い日本語レベルが求められ、かつ不人気職です。

ホテル業界の動きを見てると解かりやすいのですが、「特定技能」ができるぞとなった時に積極的にベトナムなどの大学・短期大学を訪れて提携を結びました。

ところが蓋を開けてみると使い勝手が悪いということがわかり、その数か月後には「技能実習制度」の職種に宿泊(接客・衛生管理)が加わりました。


技能実習生は(失踪を除けば)少なくとも3年間分の労働力は確保できることが重宝されています。


いろいろなしがらみに巻き込まれて生まれた「特定技能」で、
作った自分たちとしても不服があるのでしょうが、その責任は負わざるを得ません。


だからといって、雇用側からも外国人からもそっぽを向かれたもののPRを強化していくより、
内容を抜本的に変えるか、観念して「入国管理局」に戻った方がよい気がします。
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