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特定技能の良さについて考察
テト(ベトナムのお正月)明けに、無事に日本へ出発したエンジニアがの1人は既婚者でして、日本の生活にも慣れてきたので、
夏・秋ごろに妻を日本へ呼んで、
いっしょに住みたいと言っている
と、採用してくれた企業様から連絡を受けました。
ベトナムでは結婚しても婚姻届の手続きを行わいことがあるようなので、
婚姻届の証明書があれば、ほぼ確実に妻を日本へ招くことができますし、
手続きもさほど難しいではありませんとお伝えしました。その際、妻は、日本に来てから入管を訪れ、資格外活動の申請を行い、
それが認められれば、1週間に28時間は風営法にひっかかる職業を除き、
働くことができますと添えました。
御社で雇用するのもOKです、と。
このとき、ここ数日、ずっと考えていた「特定技能のメリットは何だろうか?」という疑問がずっと答えが出ないままだったので、今回のケースでは「使えるな」とひらめきました。彼の奥さんは、現時点では日本語がまったくできません。
でも、今からベトナムでベトナム人の先生から基礎を学び、
日本で日本語漬けの生活を送れば、N4レベルは容易いはずです。同時に、夫が勤める会社で、
最初は家族滞在の資格外活動でアルバイトとして働きながら実務を覚えていけば、
技能試験の対策にもなります。そして、「特定技能」へ切り替えることができれば、
就労時間の制限もなくなります。"これはいい使い方だ!"と閃いたと思ったのですが、
その後、すぐに気づきました。今回の会社さんは製造業です。
製造業の場合、特定技能は上限5年であり、
5年後にまた家族滞在(=仕事が上手になったのに、時間制限再登場。違反すれば妻の在留カードは更新できないというリスクを抱える。)に切り替えなくてはなりません。5年で良しとするか、否か・・・。
また、特定技能1号は永住権の計算期間に含まれないようですし・・・。
なんだかスッキリしないのが特定技能です。
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一番きついのは留学生説
観光旅行などの短期滞在を除くと、ベトナム人がこれから日本へやってくる在留資格で多いのは、技能実習、エンジニア(≒技術人文知識国際業務)、特定技能、特定活動(インターンシップ)、そして留学です。
留学生には、2種類があります。裕福な家庭の出または奨学金をもらえているので、学費・生活費を心配せずともよい者。もう一方は、学費・生活費はもちろん、日本へ来る際に借りたお金の返済、ベトナムにいる家族親戚への仕送り分までも稼がなくてはならない者。
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例:<ベトナム人Lさんの日本で暮らし>
Lさんは、ベトナムの高校を卒業して、ベトナムの四年制大学に入学しました。けれど、彼女は日本で日本語を学びたいという考え方に変わり、ベトナムの大学を2年で中退。
そして、福岡県の日本語学校に通うこととなりました。
そのときの時点でLさんはまったく日本語が話せなかったとのことです。かかった費用は約100万円。内訳は、入学金+学費、アパート賃貸料(6か月分)、渡航費、書類作成代行費、等です。100万円は、両親から借りたそうです(推測ですが、彼女の両親もどこからか借りてきたのではないかと思います)。Lさんの場合は、奨学金はなく、日本でかかる費用はすべて自分で捻出しなくてはなりません。両親から借りているお金も卒業後の就職して働き始めるまで待てるものではなく、在学中になるべく早く返していかなかくてはならず、さらに両親の生活費を仕送りしていました。彼女の平凡的な1日は、朝起きて、午前中は日本語学校で授業を受けます。午後からはホテルでベッドメイキングのアルバイト行います。夕方から夜(21:00)までは大手ハンバーガー店でアルバイト行います。夜(22:00)から朝7時までは大手牛丼店でアルバイト行います。そして、その後、また学校に行って授業を受ける。この繰り返しです。このスケジュールにおいて、睡眠を取れる時間は午前中の授業を受けている間ということになります。学校側としても学費を払ってもらわないと困ります。
卒業要件は学習レベルではなく、出席率なので、授業中に何をしようが黙認されます。けれど、彼女としては本来、日本語を学ぶという志しがあったために、残念だったと後悔していました。
Lさんは福岡の日本語学校を卒業した後、大阪の専門学校(日本語コース)に入学しました。このとき、在留カードの更新手続きが発生することになります。留学生は、1週28時間(学校が夏休み・冬休みなどの長期休暇中は1日8時間)までのアルバイトは認められていますが、Lさんは優に超えています。
在留カードの更新時に指摘を受けて「更新できない」というケースも多いのですが、Lさんのアルバイト先は3つに分かれていたことと、さらに大手ハンバーガー店、大手牛丼店だったのでこの辺りの知識は十分に備えており、現金手渡しで記録に残らぬ形で受け取っていたため、在留カードの更新もできました。大阪でも待ちえ受けていた生活は同じでした。
大阪ではベトナム人の恋人(同級生)ができて、いっしょに同棲していたそうです。大阪の専門学校を卒業する際、恋人がベトナムに帰国する選択をしたため、日本での生活に疲れ果てていたLさんもベトナムに帰国することを選びました。恋人はホーチミン出身者、Lさんはハノイ出身者。遠距離恋愛となったら2人はしばらくして別れることになります。Lさんは、日本語は多少話せるものの、通訳者になれるほどうまくはありません。学歴的にもベトナムの大学中退、日本の専門学校(日本語学科)卒業なので、ベトナムにある日本の会社に就職してよいポジションに就くということは適いませんでした。現在は、日本人がよく集まるバーで、接客を行っています。ここで良い男性に見初められれば、劇的展開が待ち受けているやもしれませんが、シンデレラストーリーに期待するというのもいかがなものかと・・・。
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裕福な留学生、奨学金をもらえている留学生は、少数派です。大多数はLさんの留学生時代のような生活を今もしています。長時間労働を強制されるような会社で働かなくてはならない技能実習生・エンジニア・特定技能外国人・インターンシップは、少数派だと思います。大多数は、仕事が終わったあとに自由な時間があり、休日もあり、そこで日本語の勉強に励んだり、休んだり、遊びにいったりしているはずです。従って、「最もきついのは留学生」であるという仮説です。
彼らには稼がなくてはならない最低ノルマとして「学費」「家賃」「借金」があり、
稼ぎたい理由「生活費」「仕送り」等はたくさんあります。
そうなると、彼らに寝る間はありません。 -
茶髪
時間が空いたので髪を切りに行こうと思い、
宿泊先ホテルの受付の方と「近くに散髪屋さんがないですか?」というやりとりをしました。
元々短かったので、受付の方にも「短いですよ」と指摘を受けたのですが、
ベトナムの散髪料金は安いので(50,000VND≒約250円)、気軽に行けます。
髪を切って戻ってきた後、何気なく「あなたはどのぐらいのペースで髪を切りますか?」と話しかけたところ、
1年に1度とのこと。でも、彼女の髪は茶色なので、
「染めるのは自分でやっているの?」と尋ねたところ、
これは地毛なんだそうです。
めずらしいなぁと思い、
最初はハーフなのかと思いました。でも、お父さんもお母さんも祖父・祖母もベトナム人で、
両親の髪は黒いのだそうです。冗談で「ヨーロッパあたりから拾われてきたのでは?」と話題をふったら、
実は、ロシアで産まれたのだと。(当時、お父さんの仕事の都合でロシアにいた)
おぉぉぉ・・・
これは冗談で済まなくなってきたと申し訳なさを抱きながら話を続けていたら、
妹も自然な茶色なんだそうです。そして、妹が産まれる一部始終の記憶があるというので、
"拾われた説"が冗談で済んで安心しました。
ちなみに、弟もいるそうなのですが、
弟は黒髪なんだそうです。